お大師様のお言葉
最近、環境(かんきょう)のことが問題(もんだい)視(し)され、エコロジーと盛(さか)んに言われるようになりました。しかし環境(かんきょう)問題(もんだい)は今に始まったことではなく、ずっと以前から問題になっていることであります。70年代にある科学者(かがくしゃ)たちがまとめたものによると。「今のまま人口(じんこう)増加(ぞうか)や、環境(かんきょう)破壊(はかい)が続けば、100年以内には資源(しげん)の枯渇(こかつ)や環境の悪化(あっか)により人類(じんるい)の成長(せいちょう)は限界(げんかい)に達(たっ)し、破局(はきょく)を回避(かいひ)するためには地球が無限(むげん)であることを前提(ぜんてい)とした経済(けいざい)のあり方を見直し、世界的な均衡(きんこう)を目指(めざ)す必要(ひつよう)がある。」と記(しる)されていました。しかし、それから20年後になり、その科学者たちは「資源(しげん)採取(さいしゅ)や環境(かんきょう)汚染(おせん)の行き過(す)ぎによって21世紀前半に破局(はきょく)が訪(おとず)れる。」と更(さら)に環境が悪化(あっか)したことを指摘(してき)しています。
それでも、大量なる生産(せいさん)・消費(しょうひ)・廃棄(はいき)という経済(けいざい)社会(しゃかい)から生み出された廃棄(はいき)物(ぶつ)により水質(すいしつ)、大気(たいき)そして土壌(どじょう)の汚染(おせん)と地球の環境は益々(ますます)悪い方へと進みつつあります。
いま、環境問題が注目(ちゅうもく)される要因(よういん)になったのは地球の温暖化(おんだんか)や集中(しゅうちゅう)豪雨(ごうう)等の異常(いじょう)気象(きしょう)を目(ま)の当(あ)たりにしたこと。また、湯水(ゆみず)のように使ってきたガソリン等の燃料(ねんりょう)が、原油(げんゆ)高騰(こうとう)により限(かぎ)りある資源(しげん)ということが骨身(ほねみ)にしみて実感(じっかん)することになったことが一番の要因ではないかと思うのです。
「ここまでしなければわからぬか」といわれているような気がします。
お大師さまのお言葉に
「愚(ぐ)に於(お)いては毒(どく)となり、智(ち)に於(お)いては薬(くすり)となる、故(ゆえ)に能(よ)く迷(まよ)いまた能(よ)く悟(さと)るという」(声(しょう)字(じ)実相(じっそう)義(ぎ))
あるものごとに対して誤(あやま)った扱(あつか)い方をすると毒(どく)になって自分だけでなく他人をも害(がい)する働(はたら)きとなり、正しい扱い方をすれば薬(くすり)となり、自分だけでなく他をも救う手だてとなる。だからこそよく迷(まよ)い、よく悟(さと)るのである。
環境問題に関して、我々は誤ったとらえ方、扱い方をしてきました。しかし、きっかけはどうであれ、いま気づくことができたのではないでしょうか。この目覚(めざ)めた目を曇(くも)らせないようにしなければなりません。
燃料(ねんりょう)のことを例(れい)に挙(あ)げましたが、もしまた燃料が安くなったらやはり無駄遣(むだづか)いをするようになってしまうのでしょうか・・・
機関誌『三礼衆』より
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